【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 文晶はセックスがなくても、ちゃんと私のことは大切だと言ってくれていたけど、今思うとそれも本当だったかわからない。
 でもその頃から変だったことは、確かだったと思う。 休日も会社の人との接待でゴルフだと言って外出していたし、時折休日出勤だと言って日曜日に出掛けるようにもなった。
 
 休日出勤の割には帰りが遅かったり、ひどい時には朝帰りをしたことだって何度もあった。 その度に浮気しているのではないかと疑ったりもしたんだ。
 でも文晶がそんなこと訳はないと、きっと心の中で思っていた。 それほどまでに、私は文晶のことを信じ切っていたんだ。大切な人、だったから。

 結婚して一年が経った頃から、子供がほしいと思っていたこともあった私は、それを文晶に打ち明けたりもした。
 でも文晶はその答えに「まだ子供は良くない?まだ二人でいたいし。 それに、今の仕事が落ち着いてからじゃなと子供なんて作れないし」と返してきた時に私は悟った。
 文晶は子供なんてほしいくないのだと。……それから私は、文晶との間に子供がほしいと願うことをやめた。
 
 だけど、それでも私のことを愛してくれていると信じていた。 だからこそ、文晶に裏切られていたことを知った時のショックが大きかった。
 一年も裏切られ続けていたのだから、私は。 その一年という月日は、私にとって長かったように感じた。

 そう、接待も休日出勤もウソだったんだから。 あれは全部、浮気相手と会うための口実に過ぎなかったんだ。 
 文晶は私と結婚したのは、ステータスのためだと言っていた。 私を利用するために、全部ウソの言葉を並べてただけだった。
 なんてバカなんだろうか……と、あの時の自分を恨む。
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