【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 なんだか妙に緊張してきてドキドキが止まらなくなる。

「あ、俺もシャワー借りるね。 ゆっくり待ってて」

 私の髪の毛をバスタオル越しにワシャワシャと拭くと、優しく微笑みバスルームへと消えていった。

「はあ……心臓が持たん」

 一旦心を落ち着かせるために、ソファへと座り込む。

「……もう、もっと恋愛経験しておくべきだった」

 文晶と結婚する前に、他の人ともっとデートしたり、遊んだりするべきだった気がする。
 今さら後悔しても遅いけど……。でも、今からちゃんと恋愛をしよう。
 眞紀人くんとちゃんといっぱい話して、いっぱい向き合って、いっぱい恋を楽しみたい。 今からでも遅くない、そんな恋愛をしたい。

「とりあえず、髪の毛乾かそう……」

 風邪を引くのはイヤだし、念入りにスキンケアもして、少しでもキレイな姿で眞紀人くんの前ではいたい。
 髪が傷まないように洗い流さないトリートメントを髪全体に馴染ませてから、ドライヤーで髪の毛を乾かしていく。

「……落ち着け、落ち着け私」

 どうしよう、緊張がマックスになってきた。 私、本当にこれから眞紀人くんと……。

「酔ってた方が、良かったかな……」

 酔った勢いなら、こんなにも緊張しなくて済んだかもしれないから。 いや……でももう、そんなことも言ってはいられない。

「……覚悟、決めないとね」
  
 眞紀人くんに期待させたまま、終わりたくない。
 
 私が深呼吸してからソファから立ち上がると、後ろから「お待たせ、菫花さん」と声が聞こえてきた。
 
「眞紀人くん!? あ、い、いつの間にっ!」

 今の今まで気配すら感じなくて、本当に今びっくりした。

「シャワー、ありがとう」

「う、うん」
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