【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 急に見つめられるから、変にドキドキしてしまう。

「アイツ、また来るって言ってたけど?」

「……もう二度と来てほしくないですけどね」

 文晶とやり直すことは、全く考えていない。 あんな男、捨ててやって正解だったんだから。

「また来たらどうすんの?」

「とりあえず、警察に通報するって言うしかないです」

 あのままじゃ埒が明かない。 それはわかっている。

「じゃあさ、俺から一つ提案していい?」

「え? なんですか?」

 そんな子犬みたいな目で見つめられたら、なんだか困ってしまう。

「菫花さんさ、俺の恋人にならない?」

「はい?」

 こ、恋人……? こ、恋人っ!?

「な、何言ってるの!? 冗談はやめてください!」

 なに? この子、私のことからかってるの?

「冗談でそんなこと言うと思う?」

「いや、それは……」

 でも言う人は言うし、言わない人は言わない。 結局、どっちなのかわからない。

「恋人のフリ、しないとじゃない?  だってお姉さん、今は俺の゙彼女゙ってことになってる訳だし?」

 彼女……? あ、そ、そうだった……。

「……そ、それもそうですね」

 そうだ、文晶の前ではこの子は私の恋人ということになっているんだった。
 今だけ恋人のフリをしていても、次に文晶が現れた時にこの子と一緒にいないと確実にあれが冗談だということが、文晶にバレてしまう可能性がある。

「菫花さん、しばらく俺の恋人のフリしてよ。 その方が俺も都合いいし」

「都合がいい?……ん?どういうこと?」

 彼にもそうしないとならない、何か事情があるということなの?

「俺さ、ちょっと困ってんだよね」

「困ってる?」
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