【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「こんなことして許されると思ってるの? 私のこと傷付けたくせに、それが正しい正義みたいに振りかざしてさ。……もう、そういうのうんざり」

 私は絶対に負けたくない。 こんな男に負けたくなんかない。
 
「菫花……俺の言い方が悪かったよ。ごめん」

「……何がごめんよ。その一言で片付けようとなんてしないで!」
  
 こんなに腹が立っても、私が言い返せることはこのくらいしかない。 私は力でなんて結局は勝てないんだから。
 だけどこうやって口を開けば、私にだって言えることはあるんだ。 逃げずに戦うことだって出来る。

「俺が悪かったよ、菫花。 頼む、許してくれ」

「……許す?」

 なに言ってるの? 今さら許せ……ですって?

「今さらなに? 今さら許せとか、ふざけてるの?」

「俺はふざけてない。……言い過ぎたと思ってる。本当に悪かった」

 私はわかってる。この人は反省なんてしていない。

「申し訳ないって言えば許してくれるとか、本気で思ってる? そんな訳ないでしょ」

 ああもう、本気でイライラしてくる。

「私はあなたといる自分より、眞紀人くんと一緒にいる自分の方がよっぽど楽だし、楽しいの。 あなたといる時の私は、私じゃなかった。……全部、偽りの自分だったって気付いたの、あなたのおかげで」

「……菫花」

「私は本当の私を受け入れてくれる人と一緒にいたいの。……あなたみたいに、自分のことしか考えてない人と一緒にいたってつまらないし、なんの意味もないってやっと気付いた」

 ねえ文晶、あなたにも変わってほしい。 私にばかり執着せずに、もっと自分のことを大切にしてくれる人を探した方がいい。
 文晶にとってそれは、もう私じゃない。
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