【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 私はその一言を耳にして、フリーズしてしまった。

「え、今……なんて?」

「さっき言ったんだから、もう言わないよ」

 眞紀人くんがそんな意地悪なことを言うので、思わず「えっ……ウソ? 言ってくれないの?」と聞き返してしまう。

「もう言わない。……本当に言いたいことは、大切な時に取っておきたい。だから、言わない」

 大切な時に……か。

「ありがとう、眞紀人くん」

 そんな眞紀人くんに、私はすごく恋してるんだなって感じた。 そういう眞紀人くんの言葉一つ一つが、私の心を掴んで離さないんだ。
 ありがとうと素直に言えるこの気持ちと、愛おしいと思う気持ちはすごく大きいんだ。

「眞紀人くん、私……もう大丈夫だよ。眞紀人くんがそばにいてくれれば、なんでも出来る気がする」

「そっか」

 私は少し微笑みながら「あ、長電話しちゃって、ごめんね。……また連絡するね、おやすみなさい」と電話を切った。

「大好きだよ……眞紀人くん」

 私はもう、眞紀人くんのそばから離れたりしない。 ずっとずっと、眞紀人くんのそばにいる。
 何があっても、必ず眞紀人くんのそばで私らしく生きるの。 もう誰にも何も言われず、囚われずに生きる。

「……さようなら、文晶」

 私はテーブルの上に置いてあった送りつけられた婚姻届を、そのままビリビリに破り捨てて放り投げた。

「はあ、スッキリした」

 こんなの破り捨てて当然のものだ。 でも、あんなにビリビリにしたらスッキリする。

「……ざまあみろ、文晶」

 私のこと見くびってたバツだよ、ざまあみろ。

「もう私は、あの頃の私とは違う」

 私には眞紀人くんがいるし、明日那だっている。 私の周りには、助けてくれる人がいるんだから。
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