その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
“レストラン パニエ”

添付されたURLには、落ち着いた照明と上品なフレンチの写真が並んでいる。

「そこに。明日、18時。」

「……明日ですか⁉」

動揺しながらスケジュール帳を開く。

明日の18時――一応、外勤扱いにできなくはない。

けど、予定には「綾香先生」の原稿整理が入っていた。

「都合、悪い?」

「いえ……あの、早くて驚いただけです。」

「“恋のいろは”を教えるって言っただろ?」

またその言葉――

冗談みたいに聞こえて、本気みたいな熱を伴って迫ってくる。

「じゃ、18時。レストランで待ってる。……ネタ拾えるといいね。」

彼は最後にそう言って、立ち上がった。

その背中に、ロビーの間接照明が艶やかに落ちていた。

私は、自分のスマホを見つめたまま、動けなかった。

“レストラン パニエ”

打ち合わせ。

あくまで、小説のための――

……でも、本当にそうなの?

自分でも、自分の心がよく分からなくなっていた。
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