その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
こんな人に、愛されてみたい。

「……っ」

言葉にならない感情が、喉にせりあがる。

まさか私が、恋なんて。

でも、もうこの気持ちは止められそうにない。

気づけば、終電が過ぎていた。

「終電逃した……」

甘い時間に浸っていたせいで、すっかり現実を忘れていた。

「あの、私……帰りますね。」

慌てて立ち上がろうとした私の肩を、神堂先生がそっと抱き寄せた。

「送るよ。」

それだけで、全身の神経がざわめく。

先生はスッと会計を済ませてくれて、私が思わず聞いた。

「あの……領収書って。」

「女性に飲ませたお酒は、経費じゃ落とさないよ。」

クスッと笑う声が、やけに色っぽい。

「特に美咲ちゃんみたいな、綺麗な子にはね。」

……また、そんなこと言う。

もう、心臓がもたない。

どくん、どくん――いやな予感じゃない、甘すぎる予感が私を包む。
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