その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
「美咲ちゃん。」

「はあい……」

その時だった。

先生の顔が、すうっと近づいてきた。

えっ、えっ、ちょ、近い――!

「わわわ!」

思わず叫んで、体を引いた。

「えっ?先生?」

「目、覚めた? 家、どこ?」

……え?

あれ?今、私……キスされそうだった?

それとも、夢?

「……突き当り右です。」

口が勝手に答えた。

運転手さんがハンドルを切って、車は静かに右へ。

私はそっと神堂先生を見る。

先生はもう、窓の外を見ていた。

なんだ……。

さっきのって、ただの夢……?

私が勝手に、舞い上がっただけ?

胸の奥が、じんと熱くなる。

悔しいような、恥ずかしいような。

でも――

それでも、私の心は先生に向いていた。

「美咲ちゃん。あんな事、言ったらダメだよ。」

「……あんな事?」

まさか――さっきの、“先生の家に行ってみたい”ってやつ!?
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