その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
「えっ、十歳も上!?」

驚いて見つめると、先生は苦笑い。

「美咲ちゃん、28歳なんだ?」

「はい。」

「なのに……恋してないの?」

その言葉が、胸にずしんと落ちた。

一瞬で甘い雰囲気が吹き飛んで、肩に重いものがのしかかる。

「先生……それ、ちょっと刺さります。」

「……ごめん。」

神堂先生が、静かに目を伏せる。

沈黙が落ちる。だけど、それは不快じゃない。ただ、心の奥に触れたみたいで――

私は、少しだけ微笑んだ。

「でも、恋……今、してるかも。」

小さな声で呟いたその言葉に、先生がゆっくり顔を上げた。

「誰に⁉」

神堂先生が思わず私の肩を掴む。

「いつの間に、俺の美咲の心をもてあそんだ男が……」

その言葉に、胸がぎゅっとなった。

「私、そんな人いません。」

驚いたように先生が首を傾げる。

「今、恋してるかもって……?」
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