その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
……ネタ⁉

私はスマホを思わず見つめた。ガバッと体を起こして、すぐに先生の番号を押す。

コールが鳴り、すぐに繋がった。

「はいはーい。美咲。」

あの落ち着いた声に、少しだけホッとする……けれど!

「ネタって何なんですか?」

怒りを込めたつもりの声は、どこか裏返ってしまう。

電話越しに笑い声が漏れた。

「いやいや、もちろん良い意味でのネタだよ。」

「ど、どんな⁉」

「だって、こんなに可愛い女の子と過ごしたんだ。インスピレーションがすごくてさ。」

「……小説に、私が出るんですか?」

「出すよ。ヒロインで。」

一瞬、言葉を失った。ヒロイン――それは私? 心がじんわりと、甘く熱くなっていく。

「君は本当に、興味深かった。俺の言葉に一喜一憂して。見てて面白かったよ。」

「はあ……」

冗談だって分かってる。でも、少しだけ胸が痛んだ。

「じゃあね。おやすみ。美咲。」

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