Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)
番外編「Sweet night(☆☆)」(3)
窓辺に立つ涼ちゃんを見上げて笑ってみた。
涼ちゃんは、ますます頬を緩めて顎をしゃくっている。
目線まで妖しい。
「かわいいな」
「目つきがヤらしい。
最近ますます親父くさいわよ」
「そんな目にさせてるの誰やねん。
それに親父って響き、好きやし……何てったって奏の親父やし」
むぅ。と唸(うな)ってしまった。
ああ言ったらこう言う屁理屈大魔神なんだから。
つまりは、親父って呼ばれるの希望ってこと?
個人的には、お父さんでいいと思うんだけど。
「クリスマスやし、そろそろサンタからプレゼント欲しいな」
まさかそうくるとは。もちろん、渡すつもりよ。
でも甘えておねだりされるのって初めてで、
逆に戸惑った。嬉々とした様子で待ち遠しそう。
(ああ、ついにこの時が!)
半ばキレて、宣言した。
「わかったわ。大人しくそこで待ってなさい! 」
びしっと指を突きつけて、リビングから寝室へと向かう。
着替えて鏡で全身を見て、ぽかんと口を開けた。
こんな格好したお姉さんをテレビで見たことがあるけど、自分が同じ姿になるとは。
着て違和感がないのが逆に怖い。
色気は皆無だけどと空笑い。
実を言うと可愛(かわい)い格好をしてみたかったりした。
露出は足くらいだし、色気とは無縁のはずだから、
涼ちゃんもまさか変なこと考えないはずだ。
化粧台の前に座り、お化粧を始める。
化粧下地、ファンデーション、チーク、アイシャドウ、マスカラ。
肌に近い色合いできわめてナチュラルなメイク。
リップをほんのりピンク色を乗せて。
睫毛はマスカラで大きく見せる効果を狙い、カールさせる。
眉は、整えておいたからいじらなくて大丈夫。
ささっと帽子を被って、手櫛で髪を整えた。
後ろには箱を持って。
深呼吸をしてリビングへ通じる扉を開けた。
「今日は特別よ。一度きりだから!」
拳を握って、釘を刺した。かなり力が入っていたかもしれない。
「コスプレなんて初めてで新鮮や」
「コスプレなのかしら。サンタの格好しただけよ」
別にそんなつもりは欠片もなかったわ。
「めっちゃ似合ってるで。ほんまサプライズやな」
ここまで喜んでもらえるなんて、どうしよう。
「はい。プレゼントね……涼ちゃんも私を楽しませてくれなきゃ駄目よ! 」
笑顔で、後ろ手に隠していた箱を突き出す。
「きっと驚くわよ。ミラクル6点セットなんだもの」
「6点……」
にこにこ。涼ちゃんが箱を抱えて寝室に入っていくのを笑顔で見送った。
私だけがこんな姿してたら変だし、
彼もサンタになってもらわなきゃ割に合わないものね。
テレビでも見て待っていよう。
ソファに座って、視線を画面に向ける。
後ろを涼ちゃんが通り過ぎていくのに気づいたが、特に気にしなかった。
そわそわして落ち着かなくてテレビに集中できないので早々に電源をオフにした。
がちゃり。
ドアが開いた瞬間、期待に目を輝かせてしまった。
涼ちゃんは、ますます頬を緩めて顎をしゃくっている。
目線まで妖しい。
「かわいいな」
「目つきがヤらしい。
最近ますます親父くさいわよ」
「そんな目にさせてるの誰やねん。
それに親父って響き、好きやし……何てったって奏の親父やし」
むぅ。と唸(うな)ってしまった。
ああ言ったらこう言う屁理屈大魔神なんだから。
つまりは、親父って呼ばれるの希望ってこと?
個人的には、お父さんでいいと思うんだけど。
「クリスマスやし、そろそろサンタからプレゼント欲しいな」
まさかそうくるとは。もちろん、渡すつもりよ。
でも甘えておねだりされるのって初めてで、
逆に戸惑った。嬉々とした様子で待ち遠しそう。
(ああ、ついにこの時が!)
半ばキレて、宣言した。
「わかったわ。大人しくそこで待ってなさい! 」
びしっと指を突きつけて、リビングから寝室へと向かう。
着替えて鏡で全身を見て、ぽかんと口を開けた。
こんな格好したお姉さんをテレビで見たことがあるけど、自分が同じ姿になるとは。
着て違和感がないのが逆に怖い。
色気は皆無だけどと空笑い。
実を言うと可愛(かわい)い格好をしてみたかったりした。
露出は足くらいだし、色気とは無縁のはずだから、
涼ちゃんもまさか変なこと考えないはずだ。
化粧台の前に座り、お化粧を始める。
化粧下地、ファンデーション、チーク、アイシャドウ、マスカラ。
肌に近い色合いできわめてナチュラルなメイク。
リップをほんのりピンク色を乗せて。
睫毛はマスカラで大きく見せる効果を狙い、カールさせる。
眉は、整えておいたからいじらなくて大丈夫。
ささっと帽子を被って、手櫛で髪を整えた。
後ろには箱を持って。
深呼吸をしてリビングへ通じる扉を開けた。
「今日は特別よ。一度きりだから!」
拳を握って、釘を刺した。かなり力が入っていたかもしれない。
「コスプレなんて初めてで新鮮や」
「コスプレなのかしら。サンタの格好しただけよ」
別にそんなつもりは欠片もなかったわ。
「めっちゃ似合ってるで。ほんまサプライズやな」
ここまで喜んでもらえるなんて、どうしよう。
「はい。プレゼントね……涼ちゃんも私を楽しませてくれなきゃ駄目よ! 」
笑顔で、後ろ手に隠していた箱を突き出す。
「きっと驚くわよ。ミラクル6点セットなんだもの」
「6点……」
にこにこ。涼ちゃんが箱を抱えて寝室に入っていくのを笑顔で見送った。
私だけがこんな姿してたら変だし、
彼もサンタになってもらわなきゃ割に合わないものね。
テレビでも見て待っていよう。
ソファに座って、視線を画面に向ける。
後ろを涼ちゃんが通り過ぎていくのに気づいたが、特に気にしなかった。
そわそわして落ち着かなくてテレビに集中できないので早々に電源をオフにした。
がちゃり。
ドアが開いた瞬間、期待に目を輝かせてしまった。