Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)

番外編「Sweet night(☆☆)」(6)

 感じている自分を見られるのが恥ずかしくて、
足をばたばたとさせてもがく。
 言葉にさえ敏感に反応してしまってる。
 閉じ込められて、身動きが取れなくなって、何故か安堵を覚えた。
 彼が求めてくれていることを実感しただろうか。
 やけに高い心臓の音が、バスルームに響く。
 どきん。どきん。そっと押さえても未だ鳴り続けてる。
「どきっとしたんや? 」
 かっと羞恥の表情が灯る。
「そんな顔は卑怯やで」
 意地悪な口調は意識しているの?
 羞恥に、指が震える。
 口づけられて、勝手に声が出た。
 脱がされたものが、軽く放り投げられた。
 ばっと両腕で隠そうとしたけど、
涼ちゃんは、えっちくさい表情で腕を掴む。
 「誘っておいて今更、あかんやろ。
初々しい反応が俺を暴走させるってええ加減理解しようや」
 ふいうちだ。いつもはこんな顔見せないのに。
 涼ちゃんはずるい。私は敵うわけない。
 悪戯な唇は、容赦を許さないから高い声を上げるしかなくて。
「ええ声や。もっと聞かせて」
 跳ねた背を支えられ、抱き上げられる。
 気がついた時は、涼ちゃんを見上げていた。


 最後に、上りつめる時名前を呼んだ。
「涼ちゃん……っ」
 爪を立ててしがみつく。
「すみれ……」
 荒い息、上下する肩。
 ふっ、と意識が遠ざかり、戻ってきてからしばらくぼうっとしていた。
 涼ちゃんはバスルームから一度出ていたらしい。
 目が合う。虚ろな目で見つめ返した。
「ぼうっとしてどした? 」
「……待ってたの」
 ひどく甘えた声になっていたかも。
 言うべき台詞は、自然と出てきた。
「いこうな」
 蛇口を閉めた後で、抱き上げられる。
 お湯が溜まっていた。
温かいまま保つことができるから、
 後で入るつもりなんだろう。
 背中に腕を回して抱きついた。
「ん……ちゃんと心ゆくまで愛したる」
 涼ちゃんは唇をついばんで歩き始めた。
 軽いリップノイズの音が、くすぐったい。
 指で唇に触れた。
「……だって涼ちゃんが」
「俺が? 」
 涼ちゃんが、変なことをするせいで大きく体を震わせた。
 唇を噛んで堪える。

 そっとベッドに下ろされる。
「……ん」
 唇を重ねるのだっていちいち焦らす。
 顎を伝う雫。
 口元に手をあてがう。感じすぎて怖い。
「啼けばええ……我慢は体に毒やから」
 触れられているだけじゃ嫌で、手を伸ばしてみた。
 我ながら大胆すぎて、平静じゃできないことだ。
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