Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)
外伝「あの日の二人と妹弟」(10)
「カレーは受付で頼めばいいのかな」
「ほんまにカレー食べるん?」
「涼ちゃんも食べるんじゃないの?」
「食べるで……菫子はその小さい体によう入るわとは思った」
「まだ寝ないんだからいいの」
「菫子がそのつもりなら飽きるまで付き合うで」
カレーを注文しコード決済で支払う。
渡された食券をもってレストランに行くと、テーブルに座った。
閉店前にぎりぎりで間に合ってよかった。
「言っとくけど、旅行ではしゃいでいるだけだからね。
いつもは夜食はアイスくらいしか食べないし」
「大食いでも気にしてへんし」
指摘されて頬が熱くなる。
言い訳している自分がこっぱずかしい。
「お土産、何にしようかな。
やっぱりプリン?
それともゴーフルかなー」
「二人共同で買おうな。全員共通の知り合いやし」
「会社の人以外はそうね」
「航にもやるか。あいつも俺の愛に飢えてるやろ」
「仲のいい同僚さんよね。結婚式にも招待状送る人」
「せやで。個人で招待するのはあいつくらいかな」
薫さんは、行きたいと言ってくれているが
ウェディングフォトを送るだけにしようと思っている。
(元恋人だしとは思ったが涼ちゃんというより
私のドレス姿が見たいと言ってくれているから)
「ぼんやりさん、カレーきたで」
涼ちゃんに声を掛けられてカレーがテーブルの上に置かれているのに気づいた。
「……おいしそう」
「夜鳴きそばやなくてカレーもなかなかええな」
手を合わせて食べ始める。
カレーを食べ終えたらさすがにお腹がいっぱいで、
自販機のスープまでは入りそうになかった。
部屋に戻ったら、涼ちゃんが電気ケトルをセットしお茶を淹れてくれた。
「ありがと」
二人でベッドの後ろに置かれているソファーに座った。
お茶を飲み干してカップを指定の位置に座る。
「新婚旅行はいい部屋取るから」
「無理はしないでね。
涼ちゃんと一緒なら、どんな部屋でも特別だもん」
「急にデレるなや。どんだけ破壊力があるか」
顔を押さえている。
照明の下で少し赤く見えるのは気のせいだろうか。
「そんなつもりじゃないのよ」
「……それがすみれやもんな」
頬をなでる大きな手。
「シャンプー、今日は同じ匂いや」
髪の匂いを嗅いで頬を摺り寄せる。
ゆっくりと撫でる手つきがやわらかくてうっとりした。
膝がくっついて離れようとしたら引き寄せられて、
彼の膝の上に乗せられた。
「何だか今日っていつもと違う気がする」
「最初で最後の婚前旅行やしな」
婚前旅行の響きが妙にリアルで意識してしまう。
ここで過ごすことができるのは彼といたからだ。
膝の上だと、涼ちゃんの顔の位置が、
変わらないから妙に照れてしまう。
顔を背けないように両手で挟まれてしまい、涙目になった。
「……いつまでも菫子は菫子のままでいろよ」
「本当は使い分けられるんでしょ?」
「……どっちやと思う?」
急になまりのない言葉を使われると焦る。
関西にいると彼の使う方言は違和感がないが。
意地悪っぽく笑う涼ちゃんは、私の髪を撫ですかし、
その厚い胸板に抱きすくめた。
長い腕は、簡単に私を捕まえられるし、
彼の大きな体の中にすっぽりと収まってしまう。
「ほんまにカレー食べるん?」
「涼ちゃんも食べるんじゃないの?」
「食べるで……菫子はその小さい体によう入るわとは思った」
「まだ寝ないんだからいいの」
「菫子がそのつもりなら飽きるまで付き合うで」
カレーを注文しコード決済で支払う。
渡された食券をもってレストランに行くと、テーブルに座った。
閉店前にぎりぎりで間に合ってよかった。
「言っとくけど、旅行ではしゃいでいるだけだからね。
いつもは夜食はアイスくらいしか食べないし」
「大食いでも気にしてへんし」
指摘されて頬が熱くなる。
言い訳している自分がこっぱずかしい。
「お土産、何にしようかな。
やっぱりプリン?
それともゴーフルかなー」
「二人共同で買おうな。全員共通の知り合いやし」
「会社の人以外はそうね」
「航にもやるか。あいつも俺の愛に飢えてるやろ」
「仲のいい同僚さんよね。結婚式にも招待状送る人」
「せやで。個人で招待するのはあいつくらいかな」
薫さんは、行きたいと言ってくれているが
ウェディングフォトを送るだけにしようと思っている。
(元恋人だしとは思ったが涼ちゃんというより
私のドレス姿が見たいと言ってくれているから)
「ぼんやりさん、カレーきたで」
涼ちゃんに声を掛けられてカレーがテーブルの上に置かれているのに気づいた。
「……おいしそう」
「夜鳴きそばやなくてカレーもなかなかええな」
手を合わせて食べ始める。
カレーを食べ終えたらさすがにお腹がいっぱいで、
自販機のスープまでは入りそうになかった。
部屋に戻ったら、涼ちゃんが電気ケトルをセットしお茶を淹れてくれた。
「ありがと」
二人でベッドの後ろに置かれているソファーに座った。
お茶を飲み干してカップを指定の位置に座る。
「新婚旅行はいい部屋取るから」
「無理はしないでね。
涼ちゃんと一緒なら、どんな部屋でも特別だもん」
「急にデレるなや。どんだけ破壊力があるか」
顔を押さえている。
照明の下で少し赤く見えるのは気のせいだろうか。
「そんなつもりじゃないのよ」
「……それがすみれやもんな」
頬をなでる大きな手。
「シャンプー、今日は同じ匂いや」
髪の匂いを嗅いで頬を摺り寄せる。
ゆっくりと撫でる手つきがやわらかくてうっとりした。
膝がくっついて離れようとしたら引き寄せられて、
彼の膝の上に乗せられた。
「何だか今日っていつもと違う気がする」
「最初で最後の婚前旅行やしな」
婚前旅行の響きが妙にリアルで意識してしまう。
ここで過ごすことができるのは彼といたからだ。
膝の上だと、涼ちゃんの顔の位置が、
変わらないから妙に照れてしまう。
顔を背けないように両手で挟まれてしまい、涙目になった。
「……いつまでも菫子は菫子のままでいろよ」
「本当は使い分けられるんでしょ?」
「……どっちやと思う?」
急になまりのない言葉を使われると焦る。
関西にいると彼の使う方言は違和感がないが。
意地悪っぽく笑う涼ちゃんは、私の髪を撫ですかし、
その厚い胸板に抱きすくめた。
長い腕は、簡単に私を捕まえられるし、
彼の大きな体の中にすっぽりと収まってしまう。