Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)
外伝「あの日の二人と妹弟」(11/☆☆)
「愛してるから欲しい気持ちが溢れてくるんやろな」
頭を押さえられ、唇が重なる。
ふわっと溶けそうな心地になるって
教えてくれたのは涼ちゃんだった。
初めて彼とキスをしたのは付き合う前で、
あの時も甘いしびれを感じていた。
上唇と下唇を食んで、ぴったりくっつける。
「……っ……涼ちゃん」
私の問いかけに気づいた涼ちゃんが、部屋の照明を消した。
自然な動作でベッドの上に横たえられる。
覆いかぶさってくる身体は、少し距離を開け
押しつぶさないように気をつけているようだった。
闇の中、頬から首筋に手を伸ばす。
私とは違う異性の肌。
喉仏の動きも色っぽく見えてしまう。
キスの濃度が上がり、
お互いを求めるものに変わる。
お風呂上がりだからじゃなくて、熱くなった肌は、
きっともっと熱くなりたいと願っていた。
「……菫子」
真上から声がする。
声にならない声でこたえようと唇を開く。
刺激が強くて、唇をわななかせることしかできない。
どれだけ違いがあっても涼ちゃんを形成されるものは怖くない。
大きな手が肌をたどり暴かれる。
背中に腕を回したら、息をのむ音がした。
「……無邪気なおねだり最高やな?」
ぞくぞくするほど艶めいた声だ。
彼は、どこまでも強気で余裕たっぷりで
焦りなど感じているようには見えないけれど
指先は汗ばんでいるし、息遣いは荒かった。
闇の中でも視界は良好らしくきちんと準備を整えて、
私の中にゆっくりと身を沈めた。
「んっ……」
「お前が思うよりずっと好きなんや」
濃密なキスで唇は塞がれる。
全部が満たされた時背筋に爪を立てていた。
「……そんなわけない。私の方がもっと好き」
声が紡げているかは自信がない。
もっと深く愛されたからきっと聞こえていたんだろう。
朝の光に目を覚ます。
カーテンを開けて窓から景色を見つめる姿があった。
まぶしいのは、光じゃなくて……。
目をかばうように手をかざす。
もぞもぞとシーツの海をさまよった。
けだるい体は、眠りを欲している。
「チェックアウトまでまだあるよね」
「菫子にしてはそそること言う」
「ち……違う。そういう意味じゃない」
訴えたが遅く、大きな体に包み込まれていた。
素早い展開に、声が抑えられない。
甘やかな腕にとらわれて、
(腕を掴んで手のひらや手首までキスされた)
ひとりでお風呂に入っていたら、
後からと言っていた涼ちゃんに騙された。
(一緒にバスタブに浸かっただけ)
そんな旅行最終日の朝だった。
頭を押さえられ、唇が重なる。
ふわっと溶けそうな心地になるって
教えてくれたのは涼ちゃんだった。
初めて彼とキスをしたのは付き合う前で、
あの時も甘いしびれを感じていた。
上唇と下唇を食んで、ぴったりくっつける。
「……っ……涼ちゃん」
私の問いかけに気づいた涼ちゃんが、部屋の照明を消した。
自然な動作でベッドの上に横たえられる。
覆いかぶさってくる身体は、少し距離を開け
押しつぶさないように気をつけているようだった。
闇の中、頬から首筋に手を伸ばす。
私とは違う異性の肌。
喉仏の動きも色っぽく見えてしまう。
キスの濃度が上がり、
お互いを求めるものに変わる。
お風呂上がりだからじゃなくて、熱くなった肌は、
きっともっと熱くなりたいと願っていた。
「……菫子」
真上から声がする。
声にならない声でこたえようと唇を開く。
刺激が強くて、唇をわななかせることしかできない。
どれだけ違いがあっても涼ちゃんを形成されるものは怖くない。
大きな手が肌をたどり暴かれる。
背中に腕を回したら、息をのむ音がした。
「……無邪気なおねだり最高やな?」
ぞくぞくするほど艶めいた声だ。
彼は、どこまでも強気で余裕たっぷりで
焦りなど感じているようには見えないけれど
指先は汗ばんでいるし、息遣いは荒かった。
闇の中でも視界は良好らしくきちんと準備を整えて、
私の中にゆっくりと身を沈めた。
「んっ……」
「お前が思うよりずっと好きなんや」
濃密なキスで唇は塞がれる。
全部が満たされた時背筋に爪を立てていた。
「……そんなわけない。私の方がもっと好き」
声が紡げているかは自信がない。
もっと深く愛されたからきっと聞こえていたんだろう。
朝の光に目を覚ます。
カーテンを開けて窓から景色を見つめる姿があった。
まぶしいのは、光じゃなくて……。
目をかばうように手をかざす。
もぞもぞとシーツの海をさまよった。
けだるい体は、眠りを欲している。
「チェックアウトまでまだあるよね」
「菫子にしてはそそること言う」
「ち……違う。そういう意味じゃない」
訴えたが遅く、大きな体に包み込まれていた。
素早い展開に、声が抑えられない。
甘やかな腕にとらわれて、
(腕を掴んで手のひらや手首までキスされた)
ひとりでお風呂に入っていたら、
後からと言っていた涼ちゃんに騙された。
(一緒にバスタブに浸かっただけ)
そんな旅行最終日の朝だった。