Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)
6、末期症状(3/☆☆)
心が、泣いている。
愛し、愛されて悦びの極致の状態で、
涼と共に往きたくて、
流れに飲み込まれそうになる中で必死で抗う。
同じ時を刻む二つの体温。
温度は違うけれど、重ね合わせることはできる。
愛しさのかけらを拾い集めて、
羽なんてなくても、飛べる。
高く飛翔する。
リズムを合わせて、ゆっくりと駆け上がる。
襲いかかるクライマックスに思考を奪われていく。
「菫子……!」
「涼ちゃん!」
愛してると呟いてキスを交わす。
淡い光が差し込む。
虹色の雲を二人で渡る夢ではなくて現実。
泣き叫んで、眩い光の洪水の中でひとつに溶け合った。
「菫子」
名を呼ぶ声に、手のひらがぴくりと動く。
「……涼ちゃん」
涼は、満ち足りた表情で菫子の肩を抱く。
髪を撫でられて、うっとりと目を細めて胸に寄り添った。
すらっとしているのに適度に鍛えていて惚れ惚れしてしまう。
手で触れ、頬を寄せて心音を確かめる。
とくん、とくんと鳴り響く音。
終わりを迎えて、息を整えた後の安らぐ時間。
汗ばんだ肌にどきっとしてしまう。
この体に抱かれたのだと意識すれば落ち着かない気分になるけれど、日々愛しさは、増していく。
どれだけ生々しくても夢じゃなくてよかった。
背中を撫でる手の温もりが心地よい。
愛し合った後も大切に扱ってくれる紳士的な部分に安心する。
決して背中を向けて、寝たりしない。
「羽を失ってしまったけれど、そんなの必要ないって分かったわ」
「どうして」
「涼ちゃんが、手を引いてくれるから怖くないの」
菫子は、ひしと自分から抱きついた。
彼は下着だけ身につけて、上半身は裸の状態だ。
「すみれ……」
「今なら愛称で呼んでも許してあげるわよ」
「今ならか。何かやばいくらい素直やな。めっちゃめんこいわ」
「めんこい?」
「可愛いってこと」
耳をくすぐる軽い音に、顔が火照る。
腕の中に閉じ込められて、降り注ぐキスに酔う。
「ん……何か心まで裸になるみたい」
「……裸のお付き合いやもんな」
「裸のお付き合いって」
「シャイやなあ。体と体でする自然なコミュニケイションやんか」
「……だって慣れてないからまだ戸惑っているんだもの」
怖いくらいに涼が近づいて、結ばれて、そして離れていく。
「大丈夫や……すぐに初心者マークを外させてやる」
「…………っ」
触れた唇が、火をつける。
菫子がぼうっと意識の波間を漂っている間に
再び、涼は準備をしたらしく、
獲物を捕らえるように妖しげな眼差しで菫子を捉える。
心臓が跳ねて、肌の熱がますます上がる。
身を起こした涼が導いて、二人の位置が入れ替わった。
横たわった涼の上で、体を揺らす。
伸びてきた指が、菫子を奏でる。
涙が弾けて、落ちる。
快楽の波がじわじわと忍びよる。
二度目の終わりは早くて、腕を引かれた瞬間、涼の体の上に倒れこんでいた。
「……好き……よ涼ちゃん」
「めっちゃ好きや」
眠りについた二人は、同じ夢を見て再び目を覚ました。
「一緒にシャワー行こう」
「涼ちゃん大きいし、二人で入ったら狭い」
現実的な返事に、涼は苦笑いした。
「菫子がちっちゃいから平気やろ」
「……先に行ってて」
「後から来るんやで」
言い残し、涼がベッドを抜け出た。
菫子は、息をつくと、
「……本当に、夜だなんて」
外からは月明かりが漏れ入っていた。
愛し、愛されて悦びの極致の状態で、
涼と共に往きたくて、
流れに飲み込まれそうになる中で必死で抗う。
同じ時を刻む二つの体温。
温度は違うけれど、重ね合わせることはできる。
愛しさのかけらを拾い集めて、
羽なんてなくても、飛べる。
高く飛翔する。
リズムを合わせて、ゆっくりと駆け上がる。
襲いかかるクライマックスに思考を奪われていく。
「菫子……!」
「涼ちゃん!」
愛してると呟いてキスを交わす。
淡い光が差し込む。
虹色の雲を二人で渡る夢ではなくて現実。
泣き叫んで、眩い光の洪水の中でひとつに溶け合った。
「菫子」
名を呼ぶ声に、手のひらがぴくりと動く。
「……涼ちゃん」
涼は、満ち足りた表情で菫子の肩を抱く。
髪を撫でられて、うっとりと目を細めて胸に寄り添った。
すらっとしているのに適度に鍛えていて惚れ惚れしてしまう。
手で触れ、頬を寄せて心音を確かめる。
とくん、とくんと鳴り響く音。
終わりを迎えて、息を整えた後の安らぐ時間。
汗ばんだ肌にどきっとしてしまう。
この体に抱かれたのだと意識すれば落ち着かない気分になるけれど、日々愛しさは、増していく。
どれだけ生々しくても夢じゃなくてよかった。
背中を撫でる手の温もりが心地よい。
愛し合った後も大切に扱ってくれる紳士的な部分に安心する。
決して背中を向けて、寝たりしない。
「羽を失ってしまったけれど、そんなの必要ないって分かったわ」
「どうして」
「涼ちゃんが、手を引いてくれるから怖くないの」
菫子は、ひしと自分から抱きついた。
彼は下着だけ身につけて、上半身は裸の状態だ。
「すみれ……」
「今なら愛称で呼んでも許してあげるわよ」
「今ならか。何かやばいくらい素直やな。めっちゃめんこいわ」
「めんこい?」
「可愛いってこと」
耳をくすぐる軽い音に、顔が火照る。
腕の中に閉じ込められて、降り注ぐキスに酔う。
「ん……何か心まで裸になるみたい」
「……裸のお付き合いやもんな」
「裸のお付き合いって」
「シャイやなあ。体と体でする自然なコミュニケイションやんか」
「……だって慣れてないからまだ戸惑っているんだもの」
怖いくらいに涼が近づいて、結ばれて、そして離れていく。
「大丈夫や……すぐに初心者マークを外させてやる」
「…………っ」
触れた唇が、火をつける。
菫子がぼうっと意識の波間を漂っている間に
再び、涼は準備をしたらしく、
獲物を捕らえるように妖しげな眼差しで菫子を捉える。
心臓が跳ねて、肌の熱がますます上がる。
身を起こした涼が導いて、二人の位置が入れ替わった。
横たわった涼の上で、体を揺らす。
伸びてきた指が、菫子を奏でる。
涙が弾けて、落ちる。
快楽の波がじわじわと忍びよる。
二度目の終わりは早くて、腕を引かれた瞬間、涼の体の上に倒れこんでいた。
「……好き……よ涼ちゃん」
「めっちゃ好きや」
眠りについた二人は、同じ夢を見て再び目を覚ました。
「一緒にシャワー行こう」
「涼ちゃん大きいし、二人で入ったら狭い」
現実的な返事に、涼は苦笑いした。
「菫子がちっちゃいから平気やろ」
「……先に行ってて」
「後から来るんやで」
言い残し、涼がベッドを抜け出た。
菫子は、息をつくと、
「……本当に、夜だなんて」
外からは月明かりが漏れ入っていた。