Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)
14、LOVE SICK(2)
「涼ちゃん。目を覚ましたばっかりだし
そろそろ帰るわ。また明日来るから」
「せやな。無理したらあかんからな。菫子ちゃん、良かったら送ったげるで」
「いいんですか。じゃあお言葉に甘えて」
「菫子、おかん運転荒いから気をつけてな」
過剰にびくっとすると、ぽんぽんと背中を押された。
「大丈夫や」
「は、はい。涼ちゃん、じゃあね」
「……じゃあな」
涼が見送ってくれる。
彼が意識を取り戻したのだと改めて実感した。
美耶子の運転は荒いというよりせっかちだった。
時折、他ドライバーへの罵声も飛んだりして、目を泳がせる。
(すごい……)
マンションまで送ってもらった後頭を下げると、
これからもあの子をよろしくと朗らかに言われて照れた。
翌日、菫子が涼の病室を訪れると、
白いかっぽう着を着た美耶子が、にこやかに菫子を出迎えた。
「菫子……やっと来たか」
「どうしたの…… ? 」
「いや……ははは」
首をかしげていると横から威勢のいい声が飛んできた。
「起きられるんなら着替えなさいよ。
昨日菫子ちゃんが着替え持って来てくれたから。
ほら、手伝ってあげるわ」
「勘弁してくれや。菫子に頼むわ」
「ええっ! 」
「……ちなみに聞くけどあんたら付き合い始めてどれくらいなん? 」
「ひと月経ちました」
「まだそんなもんなの? もっと長く一緒におるような感じがするんやけど」
「二年くらい友達だったので」
「そうなの……。もしかして大学に入って初めてできた彼女?」
沈黙が漂った。
涼は曖昧に笑い、菫子は明らかに困惑している。
「深い付き合いの女は初かな」
堂々と言い放つ涼の手のひらを思わずぎゅっとつねってしまった菫子である。
「……なら着替えも手伝えるわな。下着も触れるくらいの仲なんやもん」
「えげつない笑い方すんなや。もう帰ってええから」
「ひどい子や。邪魔もんは退散するから、菫子ちゃんごゆっくり」
病院でごゆっくりというのもどうかと思うが、
昨日から一気に明るくなった雰囲気に、笑みを深めるばかりだった。
病室のドアが閉まり二人きりになる。
「意外。薫さんは公認じゃなかったんだ」
「紹介する機会がなかったというか……そんなんどうでもええやんけ」
過去のこととして片づけているようだ。
「変な感じで、知りあいになっちゃったわね。
これも公認になるのかな」
「もうあんなに気に入られとるやん。
俺が起きるまでにすっかり菫子にはまりおって」
「はまるって」
「大丈夫や。おとんも菫子のこと気に入ってるで」
「よかった」
涼は、顔を赤める菫子の頬をびよーんと伸ばした。
(一回、会ったけどみやこさんとは違う雰囲気で
緊張したなあ)
「はにすんのよ」
「もちもちのすべすべや」
「人の顔で遊ばないでよ」
「ほら、着替え手伝ってくれるんやろ」
そろそろ帰るわ。また明日来るから」
「せやな。無理したらあかんからな。菫子ちゃん、良かったら送ったげるで」
「いいんですか。じゃあお言葉に甘えて」
「菫子、おかん運転荒いから気をつけてな」
過剰にびくっとすると、ぽんぽんと背中を押された。
「大丈夫や」
「は、はい。涼ちゃん、じゃあね」
「……じゃあな」
涼が見送ってくれる。
彼が意識を取り戻したのだと改めて実感した。
美耶子の運転は荒いというよりせっかちだった。
時折、他ドライバーへの罵声も飛んだりして、目を泳がせる。
(すごい……)
マンションまで送ってもらった後頭を下げると、
これからもあの子をよろしくと朗らかに言われて照れた。
翌日、菫子が涼の病室を訪れると、
白いかっぽう着を着た美耶子が、にこやかに菫子を出迎えた。
「菫子……やっと来たか」
「どうしたの…… ? 」
「いや……ははは」
首をかしげていると横から威勢のいい声が飛んできた。
「起きられるんなら着替えなさいよ。
昨日菫子ちゃんが着替え持って来てくれたから。
ほら、手伝ってあげるわ」
「勘弁してくれや。菫子に頼むわ」
「ええっ! 」
「……ちなみに聞くけどあんたら付き合い始めてどれくらいなん? 」
「ひと月経ちました」
「まだそんなもんなの? もっと長く一緒におるような感じがするんやけど」
「二年くらい友達だったので」
「そうなの……。もしかして大学に入って初めてできた彼女?」
沈黙が漂った。
涼は曖昧に笑い、菫子は明らかに困惑している。
「深い付き合いの女は初かな」
堂々と言い放つ涼の手のひらを思わずぎゅっとつねってしまった菫子である。
「……なら着替えも手伝えるわな。下着も触れるくらいの仲なんやもん」
「えげつない笑い方すんなや。もう帰ってええから」
「ひどい子や。邪魔もんは退散するから、菫子ちゃんごゆっくり」
病院でごゆっくりというのもどうかと思うが、
昨日から一気に明るくなった雰囲気に、笑みを深めるばかりだった。
病室のドアが閉まり二人きりになる。
「意外。薫さんは公認じゃなかったんだ」
「紹介する機会がなかったというか……そんなんどうでもええやんけ」
過去のこととして片づけているようだ。
「変な感じで、知りあいになっちゃったわね。
これも公認になるのかな」
「もうあんなに気に入られとるやん。
俺が起きるまでにすっかり菫子にはまりおって」
「はまるって」
「大丈夫や。おとんも菫子のこと気に入ってるで」
「よかった」
涼は、顔を赤める菫子の頬をびよーんと伸ばした。
(一回、会ったけどみやこさんとは違う雰囲気で
緊張したなあ)
「はにすんのよ」
「もちもちのすべすべや」
「人の顔で遊ばないでよ」
「ほら、着替え手伝ってくれるんやろ」