バンパイア君は私に甘々でメロメロ
9
二人は守衛さんに追い出されるように会社を出た。
外は夜風がひんやりしていて、さっきまで熱を帯びていた頬を、少しだけ冷ましてくれる。
けれど、黒川はすみれの手を、ずっと離さなかった。
「……黒川くん、もう放していいよ」
すみれがぼそっと言うと、黒川は首を横に振る。
「やです」
「子供じゃないんだから」
「子供じゃないんで」
黒川はぴしゃりと言い返し、握る力を少し強めた。
夜の街灯が、二人を並べて照らす。
「……送っていきます」
黒川が静かに言った。
「……いいよ。ひとりで帰れるから」
すみれがやっとの思いで言うと、黒川はしばらく黙っていた。
そしてふっと息を吐くように言う。
「……いや、今の先輩の顔、やばいんで。一人で帰せません」
「?!! どういうことそれっ」
すみれは慌てて立ち止まる。
「……顔が、めちゃくちゃ赤くて。目もうるうるしてるし。なんか俺にキスされたいみたいな顔してる」
「してないっ!!!」
すみれは慌てて手を振り払おうとするが、黒川は離さない。
「してます。しかもその顔で夜道歩いてたら、絶対俺以外の男に絡まれる」
「か、か、絡まれないわよっ!!」
「絡まれる。だから送っていきます」
「黒川くんっ!!」
黒川はにやっと笑った。
「先輩が俺以外の誰かにその顔見せるの、嫌なんで」
「……っ!!」
すみれの顔はさらに赤く染まった。
けれど結局、黒川の手を振りほどけないまま。
二人は手を繋いで、夜風に吹かれながら家路を歩き始めた。
外は夜風がひんやりしていて、さっきまで熱を帯びていた頬を、少しだけ冷ましてくれる。
けれど、黒川はすみれの手を、ずっと離さなかった。
「……黒川くん、もう放していいよ」
すみれがぼそっと言うと、黒川は首を横に振る。
「やです」
「子供じゃないんだから」
「子供じゃないんで」
黒川はぴしゃりと言い返し、握る力を少し強めた。
夜の街灯が、二人を並べて照らす。
「……送っていきます」
黒川が静かに言った。
「……いいよ。ひとりで帰れるから」
すみれがやっとの思いで言うと、黒川はしばらく黙っていた。
そしてふっと息を吐くように言う。
「……いや、今の先輩の顔、やばいんで。一人で帰せません」
「?!! どういうことそれっ」
すみれは慌てて立ち止まる。
「……顔が、めちゃくちゃ赤くて。目もうるうるしてるし。なんか俺にキスされたいみたいな顔してる」
「してないっ!!!」
すみれは慌てて手を振り払おうとするが、黒川は離さない。
「してます。しかもその顔で夜道歩いてたら、絶対俺以外の男に絡まれる」
「か、か、絡まれないわよっ!!」
「絡まれる。だから送っていきます」
「黒川くんっ!!」
黒川はにやっと笑った。
「先輩が俺以外の誰かにその顔見せるの、嫌なんで」
「……っ!!」
すみれの顔はさらに赤く染まった。
けれど結局、黒川の手を振りほどけないまま。
二人は手を繋いで、夜風に吹かれながら家路を歩き始めた。