バンパイア君は私に甘々でメロメロ
12
すみれが会議室のドアを開け、ひとりで外へ出た。
ちょうどその時。
「……」
廊下の角に立っていた黒川が、こちらをじっと見ていた。
「……黒川くん」
すみれが思わず声をかけると、黒川の目がすうっと細くなる。
「……先輩、何してたんですか」
低い声。明らかに機嫌が悪い。
「い、いや! 別に変な話じゃなくて! 早瀬先輩が、私の体調心配してくれて……」
「ふうん」
黒川は冷たく鼻を鳴らす。
「早瀬さんって、恋人いるんですよね。先輩も知ってるでしょ」
「し、知ってるよ!」
「……じゃあ、なんで二人きりで会議室とか入るんですか」
「え、えっ!?」
「“何もない”って顔して、優男ぶって近づいてくるのがアイツのやり方なんじゃないですか?」
「ちょ、ちょっと黒川くん! 失礼だよ!」
「……先輩が隙だらけなんですよ」
黒川の目は嫉妬でぎらつき、視線がすみれを射抜く。
「先輩は俺のこと、いっつもからかうくせに。……他の男には簡単に甘い顔するんですね」
「……別に甘い顔なんかしてないよ!」
「じゃあ、さっき耳まで赤かったのは何でですか」
すみれは言葉に詰まった。
黒川のことを思っていたなんて、言えなくて、また頬が熱くなる。
黒川はぐっとすみれの腕を掴んだ。
「……金曜、絶対来てくださいね」
「え、えっ?」
「逃げたら、先輩の家、押しかけますから」
低く囁くと、黒川はそのまま背を向け、早足で去っていった。
廊下に取り残されたすみれは、完全に誤解されたと自覚した。
ちょうどその時。
「……」
廊下の角に立っていた黒川が、こちらをじっと見ていた。
「……黒川くん」
すみれが思わず声をかけると、黒川の目がすうっと細くなる。
「……先輩、何してたんですか」
低い声。明らかに機嫌が悪い。
「い、いや! 別に変な話じゃなくて! 早瀬先輩が、私の体調心配してくれて……」
「ふうん」
黒川は冷たく鼻を鳴らす。
「早瀬さんって、恋人いるんですよね。先輩も知ってるでしょ」
「し、知ってるよ!」
「……じゃあ、なんで二人きりで会議室とか入るんですか」
「え、えっ!?」
「“何もない”って顔して、優男ぶって近づいてくるのがアイツのやり方なんじゃないですか?」
「ちょ、ちょっと黒川くん! 失礼だよ!」
「……先輩が隙だらけなんですよ」
黒川の目は嫉妬でぎらつき、視線がすみれを射抜く。
「先輩は俺のこと、いっつもからかうくせに。……他の男には簡単に甘い顔するんですね」
「……別に甘い顔なんかしてないよ!」
「じゃあ、さっき耳まで赤かったのは何でですか」
すみれは言葉に詰まった。
黒川のことを思っていたなんて、言えなくて、また頬が熱くなる。
黒川はぐっとすみれの腕を掴んだ。
「……金曜、絶対来てくださいね」
「え、えっ?」
「逃げたら、先輩の家、押しかけますから」
低く囁くと、黒川はそのまま背を向け、早足で去っていった。
廊下に取り残されたすみれは、完全に誤解されたと自覚した。