バンパイア君は私に甘々でメロメロ
「だから…」

黒川は喉を詰まらせるように声を絞り出した。

「もしかしたら、先輩を……壊すぐらい、欲してしまうかもしれません」

すみれは息を呑む。

「……壊す?」

黒川はすみれから視線を逸らし、震える声で続けた。

「先輩が嫌がることまで、したくなるかもしれない。触りたくて、舐めたくて、声を聞きたくて……理性が、全部飛びそうになるんです」

「……」

「……いいですか?」

黒川の瞳がゆらゆらと揺れ、恐れるようにすみれを見つめていた。

「俺、先輩にちゃんと聞きたかった。許されないことだと思うから。でももう、隠せないくらい……」

すみれは、息を整えながら黒川を真っすぐ見た。

「……黒川くん」

黒川はビクッと肩を震わせた。

「私、壊されるの、ちょっと怖いよ」

「……ですよね」

黒川が目を伏せようとした、その時。

すみれは意を決して、黒川の手をそっと握った。

「大事にされる形がそれなら……悪くないかもしれないって、思ってる」

黒川の瞳が、ぱっと見開かれた。


「だって、私もずっと、黒川くんのこと考えてるから」

黒川の息が荒くなり、すみれの手をぎゅっと握り返す。


「……先輩……ほんとに、いいんですか」

「……うん」

黒川は、少しうつむきながら、震える声で続けた。

「……体液をもらえばもらうほど、俺、元気になっていくんだと思います」

「……」

「だから……先輩、いいですか?」

黒川の目は不安と欲望が混ざり合い、今にもすみれを飲み込むような熱を帯びていた。

すみれの心臓がドクン、と大きく跳ねる。

黒川はすみれの手をそっと引き寄せ、唇を震わせながら囁く。

「……先輩の全部が、欲しいし、独り占めにしたいんです」
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