バンパイア君は私に甘々でメロメロ

【おまけ】黒川の自覚★

俺は黒川香月。バンパイアみたいな体質で生きてきたけど──

俺が渇望してるのは、椎名すみれだけだ。

先輩とは会社で先輩後輩の関係。最初は普通に尊敬する人だった。でも、だんだん先輩の仕草や声、香り、すべてに目が離せなくなっていった。

先輩が少し困った顔をするだけでドキドキする。笑うと胸がぎゅっとなる。甘い匂いが俺の理性をどんどん溶かしていった。

だけど、俺は普通じゃない。血が必要だなんて、気持ち悪がられるに決まってる。だから必死で隠してた。

けど──あの日、先輩が階段で足を怪我したとき。

滲む赤い血が、まるで宝石みたいに見えて、俺はもう我慢できなかった。

「先輩……その血、舐めさせてもらっていいですか」

震えながら言った自分を思い出すと、いまだに恥ずかしくなる。でも、その時の先輩の驚いた顔すら愛しかった。

血を舐めた瞬間、先輩の甘さが舌に広がって、心臓がちぎれるくらい高鳴った。たった一滴で、体の奥まで熱が走る。

あの味を知ってしまってから、先輩を前にすると俺はもう人間のフリがうまくできない。

翌日、平然とした顔をしてみたけど、先輩が俺をチラチラ見てくるのが可愛くてたまらなかった。

でも、先輩が俺を避けるようになってしまった。一番恐れていたこと。
俺を見ていると、自分が自分じゃいられないって。

……俺と同じくらい、俺を欲しがってるはずだと思ったのに。



ある夜、俺は薬を切らして倒れかけた。それを先輩が見つけてくれた。

「先輩の血、舐めさせてもらっていいですか」

その一言を言うのに、どれだけ震えたか。

先輩は迷いながらも「いいよ」って差し出してくれた。俺にとって、あの瞬間がすべてだった。

指先を舐めたとき、先輩の熱が俺の舌に伝わって、頭の奥が真っ白になった。

でも、それ以上に俺を狂わせたのは──先輩が、瞳を潤ませて息を呑むその顔だ。

あんなに無防備に、可愛く震えたら、そりゃ理性なんか残らない。

それからずっと、俺は先輩への想いを隠せなくなった。

先輩を独り占めしたい。
先輩の全部が欲しい。
声も匂いも体も心も、先輩のすべてを、俺だけのものにしたい。

だから、先輩が早瀬と二人で会議室に入るところを見たとき、俺は頭がおかしくなりそうだった。

本当はすぐに、言いたかった。


──「先輩が欲しい」って。



金曜のあの夜、俺は勇気を出して言った。

「うちに来ませんか」



先輩は戸惑ってたけど、来てくれた。俺の部屋を見て、怯えた顔をした先輩も愛おしかった。

「先輩を壊すくらい欲してしまうかもしれない。……いいですか」

先輩は震えながらも頷いてくれた。


あの夜は、甘さと熱で狂いそうだった。
いや、狂っていた。
先輩はぐったりしていたけれど、俺はずっと舐めまわしてしまった。
先輩の声も、肌も、全部が俺を満たしてくれた。

先輩が寝息を立てて眠る横顔を、ずっと見つめていた。

夕方起きた先輩が「朝になっちゃったね」って勘違いしていた。
顔を赤くして言ったのが、可愛すぎて胸が痛かった。

「夕飯、どこか行きましょう」

ただ一緒にご飯を食べるだけでも幸せなのに、先輩を抱きしめたい衝動は、いつだって止まらない。

だって俺は、先輩が好きで好きでたまらない。先輩を壊したいくらい愛してる。

先輩の血も、体も、心も全部──俺だけのもの。
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