バンパイア君は私に甘々でメロメロ
「……でも、ひとつだけは、冗談じゃないです」

「え?」

「先輩の血、美味しかったってこと」

耳元で囁くような声。
次の瞬間、黒川はすっと身を乗り出してきた。
テーブル越しに、顔が近い。すみれの体が硬直する。

黒川の視線が、すみれの唇に一瞬落ちる。
それだけで、すみれは背筋がぞくっと震えた。

「先輩の匂いが、近くて。甘くて……」

「……や、やめてよ、そういうの……」

「やめませんよ。だって……」

黒川は微笑みながら、囁いた。

「先輩が今、どきどきしてるの、面白いんで」

「……っ!!」

胸が高鳴る音が、黒川に聞こえてるんじゃないかってくらい、大きく響いている気がした。

「いいですね、先輩って」

その声は甘くて、熱くて、まるで本物の“誘惑”みたいだった。
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