「おまえほどの男、殺すには惜しい」と父に言われた敵国の王子の妻になりました
浴びるだけの湯、もしくは小さな湯桶程度が一般的だ。
けれど、アルディナは違う。
「ローマの……模倣か?」
ゼインがぽつりと呟いた。
「ええ。父王の趣味よ」
私は肩をすくめて答える。
「古代の文明が使っていたもの、価値があると聞けば、欲しくなるの。ダイアモンドと同じようにね。」
私は視線を湯の揺らめきに落とす。
「価値があるとなれば、手に入れずにはいられない。それが、あの人よ。」
「……なるほどな。」
ゼインはうなずいた。
「つまり俺は、その“コレクション”のひとつ、というわけか。」
皮肉めいた笑みを浮かべて言った彼に、私は思わず言葉を詰まらせる。
否定できなかった。
でも、肯定もできなかった。
ただ、静かな湯気の中に、ふたりの言葉がゆっくりと溶けていった。
「これが、石鹸。体を洗うスポンジはこれ。」
私は手早く説明しながら、ゼインにそれらを手渡した。
だが彼は、それらを手にしたまま――ぽかんと、見事に固まっていた。
けれど、アルディナは違う。
「ローマの……模倣か?」
ゼインがぽつりと呟いた。
「ええ。父王の趣味よ」
私は肩をすくめて答える。
「古代の文明が使っていたもの、価値があると聞けば、欲しくなるの。ダイアモンドと同じようにね。」
私は視線を湯の揺らめきに落とす。
「価値があるとなれば、手に入れずにはいられない。それが、あの人よ。」
「……なるほどな。」
ゼインはうなずいた。
「つまり俺は、その“コレクション”のひとつ、というわけか。」
皮肉めいた笑みを浮かべて言った彼に、私は思わず言葉を詰まらせる。
否定できなかった。
でも、肯定もできなかった。
ただ、静かな湯気の中に、ふたりの言葉がゆっくりと溶けていった。
「これが、石鹸。体を洗うスポンジはこれ。」
私は手早く説明しながら、ゼインにそれらを手渡した。
だが彼は、それらを手にしたまま――ぽかんと、見事に固まっていた。