「おまえほどの男、殺すには惜しい」と父に言われた敵国の王子の妻になりました
「若造。」
父王の瞳に、一瞬だけ怒りと侮りが宿る。
「この手で命を絶ってやるわ!」
剣が、音を立てて振り上げられた。
その切っ先は、ゼインの喉元へと構えられる。
「最後に、言うことは?」
父王の声は静かだった。だが、確かに“終わり”を告げていた。
ゼインは、ほんの少しだけ顔を上げた。
縄で縛られ、血と泥にまみれた敗者の王。
だがその目は、少しも負けていなかった。
「ラグナリアの民を……捕虜とすることなく、自国の民と同じように扱ってください。」
その言葉に、王宮が静まり返る。
「……なんだと?」
父王の手が止まった。
「私の命より、民の未来を願います。」
ゼインの声は、驚くほど静かで穏やかだった。
「アルディナ国に、幸福を。」
そう、まるで自国の王であるかのように――祈りのように。
父王は動かなかった。
剣はまだ、ゼインの首の上にある。
父王の瞳に、一瞬だけ怒りと侮りが宿る。
「この手で命を絶ってやるわ!」
剣が、音を立てて振り上げられた。
その切っ先は、ゼインの喉元へと構えられる。
「最後に、言うことは?」
父王の声は静かだった。だが、確かに“終わり”を告げていた。
ゼインは、ほんの少しだけ顔を上げた。
縄で縛られ、血と泥にまみれた敗者の王。
だがその目は、少しも負けていなかった。
「ラグナリアの民を……捕虜とすることなく、自国の民と同じように扱ってください。」
その言葉に、王宮が静まり返る。
「……なんだと?」
父王の手が止まった。
「私の命より、民の未来を願います。」
ゼインの声は、驚くほど静かで穏やかだった。
「アルディナ国に、幸福を。」
そう、まるで自国の王であるかのように――祈りのように。
父王は動かなかった。
剣はまだ、ゼインの首の上にある。