策士の優男はどうしても湯田中さんを落としたい

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仕事を終えて、オフィスのロッカーでネクタイを外していたとき。
祐のスマホがバイブ音を立てた。
画面を見れば、大学時代のゼミ同期からのLINE。

> おーい、ゼミの飲み会出ないのかよ
今回、湯田中さんもくるってよー


「湯田中…？」

小さくつぶやいて、祐は少し眉をひそめる。
既読をつけたまま指を止めていると、すぐにまたメッセージが飛んできた。

> 湯田中…そんなやつ、いたか？


祐はその文字をゆっくり読み返す。
心のどこかで、小さな予感がチリ、と弾ける。

> なにいってんだよ
めっちゃ美人だっただろ。これだから、イケメンは…


祐の表情に、ゆっくり笑みが浮かんだ。
スマホをくるくると指で回しながら、頭の中で記憶を手繰る。

湯田中。
ゼミにそんな名前の女子いたか…？

けれど──

（美人。湯田中。…先輩、まさか）

キャバクラのあの夜。
背中を大きくあけたドレス。
その肌に浮かんだ、うっすらとしたホクロの位置まで思い出せる。

（まさか、大学…？）

祐は笑いながら、同期に返事を打つ。

> 湯田中さんって、どんな子だっけ？