策士の優男はどうしても湯田中さんを落としたい

15★

「祐……」

瑠璃の声は、まるで泣きそうに震えていた。

祐はその頬を両手で包むと、ゆっくりと額を重ねる。

「俺ばっかり好きみたいで、悔しいんです」

「そんなこと……」

「だって、すぐ俺から逃げようとする」

祐の吐息が瑠璃の唇にかかる。

「でも、今は逃げないで」

瑠璃は目を閉じた。祐の唇がまた重なる。さっきより深く、熱く。

舌が触れ合うたび、思わず甘い声が零れた。祐はその声に笑みを漏らし、さらに深く絡めとる。

「……んっ」

唇が離れると、二人とも息が荒かった。祐は瑠璃の髪を耳にかけ、首筋へと唇を落とす。

「ここ……前から触りたかったんです」

「あっ……」

祐の唇が、鎖骨のあたりを這う。ゆっくり、執拗に。

「ダメ……そこ……弱いの」

「知ってます」

祐の声は低く甘い。指先がそっとブラウスのボタンに触れる。

「……祐」

「瑠璃」

祐は一つだけボタンを外すと、そこから覗いた素肌にキスを落とした。

「きれい……本当に」

「やだ……見ないで」

瑠璃は顔をそむけようとするが、祐はその顎をやさしく戻した。

「なんでですか。こんなに綺麗なのに」

そしてまたキス。今度は唇を離さず、甘く舌を絡める。

祐の手がゆっくりと瑠璃の腰に回り、引き寄せる。

「……もっと欲しいです」

「……ん、祐」

「俺のこと、欲しいでしょう?」

瑠璃は息を詰めたまま、祐を見つめた。その目にはまだ戸惑いがあったけれど、確かに熱が宿っていた。

瑠璃は自分から祐に抱きついた。

祐の笑みが深まる。

祐は瑠璃をベッドへそっと押し倒す。視線は熱く、でもどこまでも優しかった。

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