AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
「ねぇ、ママー」。ふいに日葵が声を上げた。

「パパ、まだー?」

 日葵はハンバーガーショップのある方向を見つめ、小首を傾げた。

「もう少しで来るよ……あっ」

 店員から商品の載ったトレイを受け取る彼が見えて、宝瑠は日葵にわかるように彼を指差した。

「ほら、戻ってきた。パパ、ひまちゃんのはっぴーセット買ってくれてる」
「ほんと? やったぁ!」

 ほどなくして天喜が席までトレイを運んだ。日葵に、先に玩具を見るのはいいけれどちゃんと食べておけと言い残し、また別の方向に歩いて行った。自分用に焼肉屋の列に並んでいる。

 日葵はハンバーガーのセットに付いた玩具を、いの一番に開けて確認すると、「いただきます」と手を合わせ、ポテトから食べ始めた。日葵の無邪気な姿を見て、子供だなぁとつい当たり前のことを考えてしまう。

 待ってる間は手持ち無沙汰なので、また天喜を見つめる。ハンバーガーショップと違い、焼肉屋は比較的近いので彼の並んでいる様子がよく目立つ。

 ……あれ?

 宝瑠は天喜を見つめ、思わず眉をひそめた。天喜は今し方、トレイを下げに来た女性とぶつかりそうになり、なぜかその女性に話しかけられている。
< 209 / 413 >

この作品をシェア

pagetop