AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 ふいに彼の低くかすれた声が耳朶を撫でた。自身の肩がビクッとかすかに震えた。反射的に息をつめた。

「まだ起きてる?」

 天喜の声に問われて、宝瑠はこくりと息を飲み込んだ。「起きてる」と。変に熱のこもった声がもれた。

 頼りないオレンジ色の電球が満たす室内で、ふわっと空気が揺らいだ。隣で天喜が身を起こし、衣擦れの音が伝わった。

 さっきから鼓動の音が不規則で、太鼓のように鳴り響いている。

 宝瑠は頬を赤らめながら、きゅっと唇を結んだ。自分でも変に期待しているのがわかった。

 天喜の体温を求めて、悶々とする気持ちを抑えられなかった。

 天喜はベッドを抜け出し、ハァ、と物憂い吐息をもらした。

 こっちに……来る? それとも……。

 宝瑠は夏用の掛け布団をぎゅっと握りしめ、彼の行動を気配で気にしていた。まさか女であるのに欲情しているなんて。彼に悟られたくなくて、直接彼を見ることができなかった。

「日葵のこと、お願いしてもいい?」
「……え?」

 一瞬、なにを言われたのか理解できなかった。天喜は暗がりの中を動き、自身の私物を手に取った。

「やっぱり……俺も温泉入ってくるから。先に寝てて?」
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