妹に婚約者を奪われましたが、皇太子殿下に一途に愛されています
私には、同じ公爵令嬢の友人がいる。レミニー・カーウェル。

穏やかで気遣いのできる子で、家も近いため、時折こうして遊びに来てくれる。

この日も、紅茶を飲みながら、いつものようにレミニーが笑った。

「どう? 結婚の準備は進んでいる?」

「いえ、まだそこまでは……」

私が首を横に振ると、彼女はほんの一瞬、表情を曇らせた。

「そう……」

カップを置いて、窓の外に目をやったレミニーは、少し言いにくそうに口を開いた。

「……あのね。こんなこと言うのは、どうかと思うんだけど」

「うん?」

私は彼女の顔を覗き込むようにして頷いた。

レミニーの視線は、じっと屋敷の一角を見つめている。

そこは――妹・カリーナの部屋がある方向だった。

「カリーナには、注意するのよ」

その言葉に、思わず息が詰まる。
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