15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
その言葉に、玲央さんの喉が小さく鳴った。

「……そんなことされたら、俺、もう逃げられなくなる。」

「うん。逃がさないよ。」

私は手を握ったまま、玲央さんに向かってもう一歩近づいた。

風が吹いて、彼の髪を揺らした。

そして、ふたりの距離が、音もなく縮まっていった――。

「玲央さん。私、玲央さんが好きです。」

言い切った。胸が高鳴る。足元がぐらつくような緊張の中、玲央さんは真っ直ぐ私を見た。

「私と付き合って頂けませんか?」

その瞬間、彼はふいに目を伏せ、おでこを片手で押さえた。

まるで時間が止まったかのようだった。

「……ダメだ。」

「どうして?」

思わず声が出た。玲央さんは、ゆっくりと私を抱きしめた。

「ひよりさんは、恋愛したいだけだよ。」

その言葉に、私は大きく首を横に振った。

「違う!」

強い口調になった。震える声が、空気を震わせる。
< 100 / 297 >

この作品をシェア

pagetop