15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ええっと……値段、桁が違うような……」

メニューに記された数字を見て、私はごくりと唾を飲み込んだ。一人七千円って、ランチ三回分はあるんじゃない?

「大丈夫。社割きくから。」

玲央さんは、あくまで平然とした顔でそう言う。

そうだよね、私に気を遣ってくれてるんだ。

「面倒だから、このコースでいい?」

「ええっと……」

まだ返事もしていないのに、玲央さんは手際よく店員さんを呼んだ。

「すみません。このコースで。飲み物は、カクテル?」

そう言いながら、お酒のメニューをさっと私の前に差し出してくれる。

「じゃあ……カシスオレンジを。」

なるべく控えめなものを選ぶ。すると玲央さんは、くすっと笑った。

「ひよりさんらしいね。」

なんだか恥ずかしくて、私はそっと目を伏せた。

でもその言葉は、不思議と心を温かくしてくれた。
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