15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「はい……」

私は声にならない声で頷いた。

ふたりの未来が、ゆっくりと動き出した気がした。

食事が終わり、玲央さんが会計を済ませてくれた。

「ご馳走様でした。」

私は丁寧に頭を下げる。

すると玲央さんが、ふいに耳元で囁いた。

「奢った甲斐があった。」

「えっ?」

「若い彼女、できたし。」

その一言に、心臓がドクンと鳴った。

思わず見上げたその笑顔が、嬉しそうで、少しだけ照れていて――。

「私、自慢できますか?」

そう聞くと、玲央さんは声を立てて笑った。

「ははは。当たり前じゃん。」

その言葉が、胸にすっと染み込んでくる。

ああ、この人のそばにいたい。この人の隣で、ずっと笑っていたい。

「これから、どうする?」玲央さんが私の顔を覗き込む。

「ああ……」

私はそっと時計に目をやった。

まだ、帰るには早い。あともう少しだけ、この時間が続いてほしい。
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