15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「でも俺……きちんと自分の子供だって認めるのが、せめてもの父親の義務だと思ってる。」

その言葉に、胸の奥で何かが崩れた。

理解しようとする心と、どうしようもなく不安になる気持ちがせめぎ合う。

私の目からも、自然と涙がこぼれていた。

「……そうなったら、私たちはどうなるの?」

震える声で問いかける。

「玲央さんが、あの子を認知して、もし……結婚するって言ったら、私……私は……どうしたらいいの?」

口に出した瞬間、涙が止まらなくなった。

夢みたいだった。あの人と過ごす毎日が、本当に幸せで──。

でも、現実は残酷だ。

玲央さんは、黙っていた。

ただ黙って、拳を握りしめていた。

沈黙の中に、答えがあるようで、ないようで。

私たちの未来は、まだどこにも見えていなかった。
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