15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
それから、しばらく玲央さんからの連絡が途絶えた。

ラインを送っても、既読にならない時もある。

でも、このままあの人に玲央さんを渡したくない。

私は、玲央さんの会社があるオフィスビルに向かった。

時間は18時。もしかしたら、玲央さんに会えるかもしれない。

夕暮れのオフィス街は、人波がまばらになっていて、どこか寂しげだった。

花壇の端に腰を下ろし、息を殺して待つ。

すると、スーツ姿の男性が一人、ゆっくりとエントランスから出てきた。

――いた。

「玲央さん……」

その声に、彼はハッとこちらを振り向いた。

私を見つけた瞬間、目を見開く。

私は立ち上がって、震える足で一歩ずつ近づいた。

「なんで……ここに?」

「会いたかったんです。ずっと、話したくて……」

玲央さんの顔が苦しげに歪んだ。そして、目を伏せて小さく息を吐く。

「ごめん、ひよりさん。今日は……」
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