15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
言いかけたその時だった。

小さな影が玲央さんの足元に駆け寄り、ぎゅっとしがみついた。

「お父さん、抱っこして。」

玲音君――あの、玲央さんにそっくりな男の子だ。

玲央さんは一瞬、私に視線を向けたが、何も言わず、そっと抱き上げた。

その背後から、女性の姿が現れる。

「……ああ、ひよりさんも一緒だったの?」

涼やかな声。萌音さんだった。

その自然な口調と笑みが、私の胸を締めつけた。

――まさか、今日はこの人と会う約束だったの?

三人で並ぶ姿が、まるで「家族」に見えた。玲央さんの腕の中で嬉しそうに笑う玲音君。隣で微笑む萌音さん。

私は、ひとりぼっちだった。

「ひよりさん……話したいことがあるんだ。」

玲央さんが私に向き直る。でも、その腕の中には、確かに「過去の証」がいた。

私は、目をそらさずに言った。

「話してください。全部、聞きます。」

その瞬間、私の決意と、覚悟が玲央さんの目に映った気がした――。
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