15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ちょっと待って。だって、雑貨は物だよ?」

そう言って笑いながら返すと、玲央さんは少しだけ眉をひそめた。

「物なのに、俺より好きなんだ。」

その言い方が、妙に拗ねていて――どこか、可愛らしく思えた。

「玲央さんって、意外と子供な時ありますよね。」

そう口にした途端、玲央さんもすぐさま言い返す。

「ひよりは、素直じゃない時ある。」

「……えっ?」

「たとえば今とか。」

お互い、むっとして、目を合わせたままにらみ合う。

でも、照れくさくなって、同時にふいっと顔を背けた。

沈黙のまま店内をひと回りして、私は黒猫シリーズのボールペンを一つ手に取った。

「これ、買おうかな。」

レジに向かう私を、玲央さんは少しむくれた表情で見ていた。

「……それ、俺が買ってあげればよかったのに。」

その声にはまだ、拗ねた余韻が残っていた。
< 159 / 297 >

この作品をシェア

pagetop