15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
そして車に戻っても、空気はどこか気まずいままだった。

玲央さんは運転席に座りながら無言で前を向いていて、私も何となく視線を合わせられない。

でも、このままじゃ嫌だ――。

私はさっき買った黒猫のボールペンをバッグから取り出し、そっと差し出した。

「これ……あげる。」

本当は仲直りのきっかけにしたかった。

でも、玲央さんはちらっとそれを見ただけで、ため息交じりに言った。

「俺、大人だから。黒猫のボールペンなんて使えない。」

――その言い方に、カチンときた。

「気に食わないのなら、はっきり言って!」

声を荒げた自分に驚く。でも、止まらなかった。

「子供みたいに拗ねて、変な意地張って……っ。私、悪かったなら謝るけど……」

玲央さんが驚いたように私を見た。そして、数秒の沈黙のあと、ぽつりと呟いた。

「……そうじゃない。」

「え?」
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