15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「嫌なんだよ。ひよりが俺以外のものを大事にしてるみたいで、バカみたいだけど、ちょっとだけ、嫉妬した。」

玲央さんが、少し照れたように視線をそらす。

「……可愛いなって思ってさ、あの猫。だから余計に。」

今度は、私の方が言葉を失った。

――こんなふうに、不器用に嫉妬するなんて。

ふと笑いがこみ上げてきた。

「じゃあ、これ。ふたりのおそろいにしましょうか。」

私はもう一本のボールペンを取り出す。玲央さんは、ちょっと困ったような顔をしながら、でも今度はちゃんと受け取ってくれた。

「……仕方ないな。」

そう言って、ようやく車内の空気が、優しく溶けていった。

そして玲央さんと見つめ合った。

「仲直りのキス、する?」

どこかからかうような声色。私は恥ずかしくて顔を逸らしそうになったけれど、そっと頷いた。

玲央さんの顔がゆっくり近づいてきて、唇に柔らかく触れるだけのキス。

「……それだけ?」
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