15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
――どうして、そんなふうに言われなきゃいけないの。

玲央さんと一緒にいるだけで、どうしてこんな風に思われるの。

うつむいた私の目の前で、誰かが小さく笑った。

「まあ、お金持ち相手に夢見ちゃうのもわかるけど。」

その瞬間、私は何も言えなくなった。

喉が詰まって、涙がこぼれそうになる。

でも泣いたら、負けたみたいで――

悔しくて、唇をきゅっと噛み締めた。

そして――それは放課後の、校門近くの出来事だった。

ふと視線を向けると、見慣れた高級車のそばに立っている玲央さん。

……その隣には、あの女の子。

私は、思わず足を止めた。

「一ノ瀬さん、私ともデートしてくださいよ」

聞こえてくるのは、甘えるような声。

玲央さんは「ん?」と少し笑って受け流している様子だけれど――

彼女の方は、引く気配なんてまったくなかった。
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