15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
女の子は顔を引きつらせ、ふいと視線を逸らした。

私は――ただ呆然とその場に立ち尽くしていた。

私を守るために、こんなにも真剣に言ってくれる人がいる。

それだけで、胸が熱くなった。

「……ひより。」

玲央さんが、私の方へ向き直る。

「俺は、君を大切にしたい。それだけなんだよ。」

その言葉が、まっすぐ心に響いた。

私は涙を拭きながら、顔を上げた。

「でも、普通だったらもう……」

そこまで言ったところで、玲央さんが私の頬にそっと手を添えた。

「……普通なんてないよ。俺たちのペースが、普通だろ?」

その言葉に、胸がきゅっと締めつけられる。

玲央さんの瞳が、少し潤んでいた気がした。

それだけで、私の目にもまた涙が浮かんでしまう。

彼の腕の中は、ぬくもりと安心で満ちていた。

「……だったら、今度の誕生日。」

「うん?」

玲央さんが静かに問い返す。

私はそっと彼の胸に額をあずけて、囁くように言った。

「特別な日に、しよう?」
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