15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
それだけで嬉しくなる。

ガラスケースの中に、いくつか並んだネクタイピン。

その中に、猫のシルエットがさりげなく刻まれた、シルバーのデザインを見つけた。

「これ、かわいい……!」

「こちら、さりげない遊び心のある限定デザインでして。シンプルなので、ビジネスの場でも違和感なくご使用いただけます。」

「これにします!」

お財布を確かめると、ちょうど予算内。

私は胸を張って頷いた。

箱に収められた小さなネクタイピン。

それを手のひらに抱きしめるようにして持ちながら、私はそっとつぶやいた。

「喜んでくれるかな……」

これから会う彼の顔を思い浮かべるだけで、胸がふわりと熱くなる。

夜が、楽しみだった。

そして18時ちょうど。

花壇の前に、玲央さんが現れた。

「今日はワンピースなんだね。」

優しい声に、私ははにかみながら頷いた。

紺色のワンピースに、白い小さなレースのついたカーディガン。
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