15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「行こうか。」

「はい。」

手をつなぎながら歩いた先は、私がこっそり予約していたレストラン。

街の喧騒から少し離れた場所にある、小さなイタリアン。

「なんか、かわいいレストランだね。」

玲央さんがドアの前でそう言ってくれた。

窓辺には小さなランプが灯り、アンティーク調のドアノブがやさしくきらめく。

個人経営の、温もりのある店。

私が選んだのには理由があった。

背伸びしすぎない。けれど、特別感はしっかりある。

なにより、私でも――彼にご馳走できる、そんな場所だったから。

「今日は、好きなモノ頼んでください。」

そう言った私の言葉に、玲央さんは驚いたように目を見開いて、それからふっと微笑んだ。

「……夢、叶った?」

「うん。ずっと言ってみたかったの。」

その一瞬、玲央さんの瞳が、いつもよりも優しく揺れた気がした。

店員さんが席へ案内してくれる。

窓際の小さなテーブルには、キャンドルが一つ。

きっとこの夜は、ずっと忘れられない。
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