15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「それは払わせてくれ」

あたたかな声。けれど、揺るがない意志がそこにあった。

「君は、俺を助けなければ、発生するはずのなかったお金を払おうとしてる。本来なら――轢かれるはずだったのは、俺なんだ」

その言葉に、胸がぎゅっと締めつけられた。

私がしたことを、彼は真正面から受け止めてくれている。

この人は、思っていたよりずっと、真っ直ぐな人だ。

「そんなこと……言わないでください」

言葉が、喉の奥からこぼれた。

なぜだか、自分でも理由がわからないのに、胸がきゅうっと痛くなった。

「あなたが轢かれるはずだったなんて……そんなふうに、自分を軽んじないで」

目の奥が熱くなる。

滲んだ視界の中で、彼の輪郭がぼやけていく。

「少なくとも……私なんかより、あなたの方が――」

その瞬間だった。

言葉の続きを、彼の腕が遮った。

気づけば私は、玲央さんの胸に抱きしめられていた。
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