15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「誠一は、さくらを大切にしてくれるよ?」

さくらは黙ったまま、傘を深めに差す。

「抱かれるって、心も抱かれることだよ。」

「---綺麗事言わないで。」

さくらは私を睨んだ。

「お金が必要なの。3万。ひよりにはお金持ちの彼氏がいるから、分からないだろうけど。」

そう言って桜は、その知らないオジサンと、夜の闇に消えていった。

私はそれを止める事ができなくて、ただ桜が差しているピンクの花柄の傘を、見ているしかなかった。

「……っ!」

涙が零れた。自分ってこんなにも無力だったなんて。

その時、後ろから玲央さんの声がした。

「ひより?」

振り向けない私の顔を、玲央さんが覗く。

「泣いてる?どうした?」

玲央さんは、私の頬を涙を拭ってくれた。

「友達が、援助交際してるのを見ちゃって。」

玲央さんは、黙ったままだった。

「私、止めたんだけど。お金が必要だって言われて……それ以上、何も言えなかった。」
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