15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「どう? 調子は」

「相変わらず頭が痛い?」

「それはだいぶ治ってきました」

そう答えると、玲央さんはホッとしたように笑った。

「それはよかった」

そう言って椅子に座ると、ひょいと片手を上げて、私の目の前に差し出した。

「はい、問題です」

「……え?」

「何本、見える?」

その手には、指が広げられていた。

私は真剣に見つめてから、そっと答える。

「……5本、です」

すると彼は、ふっと笑った。

「うん、脳に異常はないな」

そんなふうに冗談を交えながら、でもその表情はどこか本気で心配してくれているようだった。

その優しさが、じんわりと心に染みて、胸が少しだけあたたかくなった。

「ひよりさんの、好きなものはなに?」

唐突に、でもどこか楽しそうに玲央さんが聞いてきた。

「ええっと……読書。ですかね」

少し考えてからそう答えると、彼はふんわりと優しい笑顔を見せた。
< 20 / 297 >

この作品をシェア

pagetop