15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「今度、何か本を持ってこようか。好きな小説家は?」

思いがけない言葉に、心が弾んだ。

ただのお見舞いだけじゃない、私という人間に興味を持ってくれている気がして。

「谷川麻里さんの小説が好きです」

名前を言うと、玲央さんは小さく首をかしげた。

「谷川麻里……あまり聞いたことないね」

私は少しだけ照れながらも、笑顔で言った。

「溺愛カップルのお話が、すごく素敵なんです」

その言葉に、玲央さんの眉がほんの少しだけ上がった。

「溺愛……」

彼は、その単語をゆっくり繰り返す。

まるでその響きを口の中で転がすように、確かめるように。

そして、ひと呼吸置いてから、少しだけ意味深な微笑みを浮かべた。

「……それって、たとえば、どんなふうに?」

問いかけの声が、すこしだけ低くなった気がして、私はなんだか恥ずかしくなって、視線をそらした。
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