15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ねえ、それって……のんびりふたりきりで、ってこと?」

玲央さんは片眉をあげて、小さくうなずいた。

「うん。ふたりで、ちゃんと過ごす時間。欲しいだろ?」

私は静かに頷いた。

なんてことない朝なのに、言葉のひとつひとつが、心に温かく響いた。

玲央さんが玄関に向かって歩き出し、靴を履くと、ドアの前でふと振り返る。

「行ってきます。……旅行、絶対行こうな。」

「うん。楽しみにしてる。」

ドアが閉まったあとも、胸の奥がぽかぽかしていた。

玲央さんと、ふたりきりの時間。

それは、きっとただの旅行じゃなくて――もっと、大切な何かになりそうな気がした。

玲央さんに内緒で、お弁当を作った。

「でーきた。」

キッチンで一人、蓋を閉じた瞬間、胸の中にじんわりと嬉しさが広がる。

食べ終わったらそのまま捨てられるよう、可愛い柄のランチパックに詰めた。

卵焼きに、ほうれん草のお浸し、プチトマト。

そして、メインはふっくら焼いたハンバーグ。
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