15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「うん、これなら……玲央さん、絶対喜んでくれるはず。」

お弁当をバッグに入れ、私は電車を乗り継いで玲央さんのオフィスビルへ向かった。

午後の街はビジネスパーソンで溢れていて、私はその中に小さく紛れ込んだ気分だった。

高層ビルが並ぶ一角にある、そのビルの前で、私はスマホを取り出す。

──『今、ビルの外にいます。少しだけ会えますか?』

緊張しながら、送信ボタンを押す。

ふぅ、と深く息を吐いて空を見上げると、ビルのガラスに自分の小さな姿が映っていた。

こんなふうに、誰かのためにお弁当を作る日が来るなんて。

それだけで、胸が温かくなる。

スマホが震える。

《今、降りる。待ってて》

その短い返信が、何より嬉しかった。

数分後。

自動ドアが開いて、紺のスーツに身を包んだ玲央さんが、私を見つけて歩いてくる。

ネクタイの結び目、シャツの襟元、全部きちんとしていて、見惚れてしまう。
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