15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「……谷川さんの小説って、ヒロインが平凡なんです」

「平凡?」

玲央さんはベッドの横に置かれた椅子に座り、肘をつきながら私の顔を見た。

「そう。ほんとにどこにでもいるような、目立たない女の子が主人公で」

私はふわっと笑いながら続けた。

「そんな子が、弁護士とか、優秀な外科医とか、社長とか……いわゆる“ハイスぺ男子”に出会って、めちゃくちゃ溺愛されるんです」

「へえ……」

玲央さんは、ふむ、と少しだけ目を細めてこちらを見つめた。

まるでおとぎ話を聞いているみたいに。

でも、からかうような空気は一切なかった。

「なんか……すごく非現実的かもしれないけど。でもね、ヒロインが平凡だからこそ、読んでるこっちも自分に置きかえられるというか」

私は、心の奥をちょっとだけさらけ出すように、そっと言った。

「男性から――『君に溺れている』って、真顔で言われるの、感動ですよね」
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