15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「連理……?」

「木の枝が途中で繋がって一つになる、そういう意味ですよ。夫婦円満の象徴。」

玲央さんは岩を見上げながら、ふぅんと鼻を鳴らした。

「そういうの、人って好きだよねぇ。」

あまりに淡白な返事に、私はちょっと白けてしまった。

「もう……せっかくいい雰囲気なのに……」

そんな私のぼやきを聞いたのか、玲央さんがふと私の手を取った。

「でもさ……ひよりとなら、迷信でも信じてみてもいいかもな。」

「えっ?」

「ほら、お参りしよ。どうせならちゃんと、夫婦になれるように。」

顔を赤くしながらそう言った玲央さんに、今度は私の方が照れてしまった。

宿は温泉付きの落ち着いた佇まいで、玄関をくぐった瞬間から、心がふっと緩んだ。

「お部屋に露天風呂がありますので、どうぞごゆっくり。」

そう案内してくれた女将の言葉に、私はうれしくなって部屋の窓を開けた。

檜造りの露天風呂からは、山の稜線と湯けむりが見える。

< 213 / 297 >

この作品をシェア

pagetop