15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
言ったあと、自分でもちょっと照れてしまって、目線を逸らす。

だけど、玲央さんの視線は逸れなかった。

むしろ、まっすぐ私を見つめたまま、何かを考えているようだった。

その沈黙に、私は少しだけ鼓動が早くなるのを感じた。

「溺愛か……」

玲央さんがふとつぶやいた。

「俺は女性に、溺れたことないな」

その言葉に、胸が少しだけきゅっとなった。

こんなに素敵な人なのに。

あの優しさや穏やかさは、誰かに向けたものじゃないんだろうか。

「結婚は……されてるんですか?」

迷いながらも、気になって口にしていた。

「してないよ」

あっさりとした答えが返ってくる。

「彼女とか……」

「今はいない」

言葉は少ないのに、なぜかその言い方が、少し寂しそうに聞こえた。

案外――この人、孤独なのかもしれない。

肩書きや外見の華やかさの奥に、静かな空虚さがあるような気がした。
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